スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/-- --:-- | スポンサー広告
たんじょう!戦風姫チャン
思えば長い道のりでした。
一人ですると言い出し、無理だと投げ出しかけ、しかし優秀なスタッフのおかげでやっと形になりました。
戦風姫第一話、いよいよ公開まで秒読みとなりました。(読む速度による)
やっとGMさんなんかにも認められ始め、「バイオニクルブログ」になりつつあったのに、こんなことをするなんて、そうも思いますが後悔はしていないです。
正直こういうのもやりたかったし、他人から背中を押してもらえるといけますね。

と、言うわけでどうぞこの阿呆企画、見てやってください。(暇で肝要な方)

美少女戦士戦風姫チャン
監督:零狐乃助
文章:KANTA(校正:コランダ)
設定:吉田組+上記三名
キャラクターデザイン、挿絵:零狐乃助
――チッチッチッチ……

「……なんですかね、これ?」
 少女は見知らぬ白いボストンバッグの中から現れた真っ黒い、しかもちくたく
と音を刻むソレを見やり、持ち上げては様々な角度から眺めた。
 数分ほど前『ふぁんふぁん様』――勿論芸名だが――と書かれた白いプレート
の張ってある楽屋で、コレを見つけたのだ。
「……誕生日はまだ早い気がします」
 芸能人である彼女は目を細め、呟いた。
「……それよりも、扇は『ご機嫌よう』をちゃんと録画してきたでしょうか……?」
 昼の人気番組をちゃんと録画しているか不安になった少女は一人呟き、「やっ
ぱ録画してないかも」とか「諦めようか」だとか「けど今日は離戸田さんが……」などさんざん唸るよ
うに呟いたあげく、すっくと立ち上がり、てくてくと楽屋の窓を開け、黒い包みを思いっきり――
 なんと、投げた。
たんじょう!戦風姫チャン1
 包みは放物線を描き、となりの建物の中に落ちていった。
「セン!」
 包みが落ちてすぐ、楽屋のドアを開け、現れたおしゃれな黒スーツは扇、超人気アイドル「ふぁんふぁん」のマネージャーである三井 人志だった。
「みっちゃんさん、どうしたんですか?」
「さっき、ここに強迫状が送られてきて……! いま、警察の人が血眼で探してるんだ!」「きょうはくじょう?」
「……ば、爆弾で……! せ、センを……、お、お、おおぉお……」
 少女こと、卓上 扇が爆弾で吹き飛ばされる想像でもしたのか、もうすぐ30に
なるデビュー当時からのマネージャーは目をうるうるさせた。
「みっちゃんさん?」
 三井の顔を覗こうとする扇。
「とにかく! 何か、ヘンなもの見なかった?」
 自分の顔を手で隠しながら、三井は言った。
「……ヘンなもの、ですかぁ? ……ありません」
 自分が先ほど投げたあやしいものはもうとっくに忘れ、扇は首を横に振った。
「そう、ならよか――」
 爆発音が、すべての音を、かき消した。

 卓上扇は、ふて腐れていた。
 ほっぺを膨らませ、帰り道を車の中から眺めていた。
 今日やるはずだったライブは中止、扇は自宅待機となった。
「……あんな状況で、ライブやって、怪我したら、お客さんきっと悲しむからさ……。ね?」
 優しく諭す三井。
 そんな理論判ってる。けど、やりたいものはやりたい。
「……ライブは、また今度! 今度がんばろう」
「脅迫状さえなければー。みっちゃんさん、どうにかならないの?」
「ははは」
 事件はあまり大きな事にはならず、爆弾を仕掛けた犯人が脅迫状を間違ってとなりの建物ではなく扇達のいたライブホールに送り間違えた、と言うことになり、事情聴取は軽くすみ、扇は当分の間自宅待機と言うことが決定したらしい。
「むー」
 ふくれっ面の扇。車は、大きな空き地にさしかかった。本当に、何も、建物も何も無い、ただの空き地。草すら生えていない土地。だけど、扇は少しだけ、この場所が好きだった。
 ――ふわり。
 扇は一瞬、自分が飛べるようになったのかと思ったがどうも違う。そう気がついた瞬間、いやな音と共に、暗闇がやってきた。
 気がつくと、天地が逆転している。頭が下で、足が上。シートが上で、天井がした。
 その上節々がなんだか痛い。本能的にドアを開け、這いつくばりながら、地面の土に汚れながら外に出た。
 三井の、黒い新車が上下逆にひっくり返り、潰されている。
「……みっちゃんさん……?」
 運転席にいるはずのマネージャーを確認しようとするが、その行動は思わぬ声に遮られた。
たんじょう!戦風姫チャン2
「生きているのか」
 驚く女性の声。身体のラインがわからない灰色の服を着ているが、女性らしい。
「仮にも一世紀以上にわたって我々から暑い夏を奪ってきた者だ。平和ボケして いるからといって、甘く見すぎだ」
 低い男の声。筋肉の鎧を着込んだような男。服の上からでもその屈強さが伺える。
「私の特製爆弾も、投げ捨てられてしまいましたし。運がいいんですね」
 しゃがれた声。となりの男が太く大きすぎて、酷く細く小さく見える。
「みんな手ェ抜きすぎ」
 男の声。まだ幼い。子供のようだった。
 何もないはずの空き地に突如現れたのは、二人の男と一人の子供、そして一人の女だった。
「……」
 扇は彼らを見据えた。
「……どちらにしろ、これで終わりだ! ホットイタジュース!」
たんじょう!戦風姫チャン3
 女が叫んだ。
「ホットイタジュースを使うのか、鎖有奈」
「えー? いきなりぃ?」
 ごつい男と子供が言った。
「うるさい」
 地面に光の円が描かれ、光の柱を作ると、その光は徐々に止んだ。そして止むと同時に、手足と尻尾の生えたグラスのような怪物が出てきた。グラスの中にはオレンジ色の液体が入 っている。オレンジジュースらしい。
「……」
 扇は、驚くことなく、恐怖することなく、ただそれをみつめた。扇の中の何かが、その突如現れた怪物への恐怖を無くしていた。
「行け。ぬるいの」
「ナァアアアマァヌゥウウルゥ」
 女は怪物に命令すると、怪物は情けない声を出しながら以外にも素早い動きで
扇との間合いを詰める。怪物のオレンジジュースがグラスの中で揺れる。
 あっという間に詰められた間合い。怪物は右腕で扇を攻撃する。土の柱が上が
り、扇は砂まみれになりながらもごろごろと転がり、何とかその一撃をよけた。
 立ち上がる扇。だが立ち上がったその瞬間に、扇の腹に強烈な一撃が決まる。
尾である。化け物の尾が、鞭のように撓り、扇のみぞおちに炸裂したのだ。
たんじょう!戦風姫チャン4
「……ッ」
 地面に這いつくばり、立ち上がろうとするが力が出ない。
 痛い。痛みだけが扇を支配していた。オレンジジュースが右腕を振り上げ、扇を殴る動作に入る。
 死ぬのか、扇は。ふぁんふぁんは。と、小さく呟いた途端、扇の頭に声が響いた。
『こぎゃんことで諦めたらダメたい!』
 さっきの人たちとも違う声。声は少し高いが訛りが酷い。
『大切なもんば、もんば思い出すったい!』
 扇は自分の大切なものに目を向けた。
「大切な……もの……」
 それは、自分を応援するファンでもなく、またスタッフでもなく、マネージャーでもなく――
「私、きょう、『ご機嫌よう』見てない!」
 叫びながらすっくと立ち上がった扇を、強い光が包んだ。
 換装されるされるボロボロの服達。髪の毛は勝手にまとまり、肌は汚れ一つ無い。コレなら朝楽じゃん。と考えながら、振り下ろされる怪物の腕をさっとよけた。
たんじょう!戦風姫チャン5
 白を基調としたドレス。所々にピンクのリボン。腰の水色リボンが風で翻る。
何となく腕組みをしてみた。
「……まさか、こんな簡単に……? どうして……?」
 また驚いている女性の声。
「ウェイクアップ……? 早い! 早すぎる!」
 ごつい男が叫んだ。
「……運が、良すぎる……」
 ひょろい男が呟いた。
「だから手の抜き過ぎっていったんだよ!」
 子供が叫んだ。
「おい! はやく始末しろ!」
 女が叫んだ。
 怪物は焦るように両腕をあげ、全体重をかけて攻撃をしかけようとする。
「こんな攻撃、扇にはもう通用しません!」
 攻撃される前に高く跳び、右腕を高く空に掲げた。手のひらはピンと開いている。
「エレクトリィック! ちょぉおおっぷ!」
たんじょう!戦風姫チャン6

 扇の全体重をかけて繰り出されるチョップは、稲妻の如く落ち、怪物を見事真っ二つに切り裂いた。


 グラスの中身のオレンジジュースを頭から浴びる扇。真っ二つになって残った グラス達は砂のように なりながら消えていく。
「……憶えて……、憶えていろ!」
 捨てぜりふをはき、四人の男女達は空き地に吹く風の中に消えていった。
 淡い光と共にもとの格好に戻る扇を、一人の影が見つめていた。
「戦風姫……見つけた……」
08/18 20:28 | 雑記 | CM:2 | TB:0
お名前

ホームページ

コメント

パスワード
   
http://legonosuke.blog37.fc2.com/tb.php/29-9829aedc
* トラックバック *
template design by takamu
Copyright © 2006 零狐乃助‐レゴノスケ‐ All Rights Reserved
まとめ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。